コルナゴのフラッグシップモデルC68が発表されました。
いろんな記事の情報から中身を見て行きたいと思います。
コルナゴのCシリーズの特徴は、やはり
ラグ構造でしょう
これは、前作のC64ですが、色分けされている部分が
カーボンの別パーツになっており、
こんな感じでジョイント構造になっています。
メリットとしては、
・パイプの長さを変えることで、フレームサイズの組み合わせが自由になる。
・パーツ単位でカーボンの強度をコントロールできる
・モノコック構造に比べてパーツ単位の製造精度が上がる
デメリットとしては、
・ジョイント部分のカーボンが重なることで重量が増える
・ジョイント部分が接着剤で付けられているので何か不安(私見です)
そして、最大のメリットがありまして・・・
ラグ構造のバイクは・・・
真っ直ぐ走る
です!
こういうと、
「ロードバイクって真っ直ぐ走る物じゃないの?」
という方がおられると思いますが、
もちろん組み方によりますが、工業製品って誤差が必ず出ます。
カーボンモノコックのフレームは、一体形成なのでいわば一発勝負で
カーボンを積層させ、圧力をかけ高温で焼いて固めるので、
どの工程の段階でもそうですが、機械でも手作業でも工程の
際に多少の誤差が出てしまいます。
その誤差が末端に行けば行くほど大きくなり、真っ直ぐに走らない
フレームになる。
家って真っ直ぐに立っていると思いますが、若干の傾きが
許容されているのはご存じでしょうか?
角度でいうと、0.17度
だそうです。真っ直ぐに建てるというのは相当難しいんですね。
いろいろな環境による変化で歪んできますし。
ただ人間の感覚ってすごい敏感でして、
約0.3度の傾きを感じ取ることができます。
なので、フレームの歪みを感じ取ることができても不思議ではありませんね。
当然、ロードバイクを乗る時になると
ホイールやコンポの組み付け精度など、複合的な要因が重なって
フレームの微量な歪みが分からなくなってしまいます。
これが、ロードバイクが真っ直ぐ走っているように思う原因になります。
ステムの組み付けが、真っ直ぐになってなくても前に走らせることは可能ですから。
自分が乗っているクロモリのバイクは、ラグ構造になっています。
伝統的な自転車の組み立て方になっております。
真っ直ぐなフレームを作る時に各パーツを職人の手で微調整しながら、
溶接していくのですが、その調整作業を
「芯だし」
と言います。
この作業は、設計図通りの寸法を超えた職人の技になります。
素材のクセや溶接時の気温やロウの温度、冷却による縮みなど
あらゆる知識と感覚を駆使して行われるものになります。
話がそれてしまいましたが、コルナゴがこのラグ構造を続けているのは、
職人の技を大切にしているのを表明しているんだと感じるのです。
素材の精度と強度が上がってくると大事な部分のみをラグ構造にするように
なるので、このようなモジュール構造になるんでしょうね。
価格は、フレームセットで90万円ほどしますが、
職人の手がかなり入ったものとして、その価値をどう判断するかは
ユーザー次第ということになるんでしょうね。
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